古典和歌stream

神垣にかかるとならば朝顔も
ゆふかくるまで匂はざらめや

歌の意味
神社の垣にかかっているのならば、朝顔も、木綿をかける夕方まで美しく咲かないことがあろうか。
鑑賞
巻第三 秋歌 114

詞書「……に朝顔の花咲きかかりて侍りけるをよめる」
 原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を六条斎院禖子内親王とする。参照した本文では詞書の冒頭部分が判読できない。神社の垣に咲きかかった朝顔を詠んだ歌である。
 朝のうちにしぼむはずの朝顔も、神の垣にかかったからには、神の加護によって夕方まで咲き続けるだろうという。木綿と夕の掛詞を生かし、神域の朝顔を祝福している。

 初句「神垣に」は、神社の垣根にという意で、神域であることを示す。
 二句「かかるとならば」は、咲きかかっているのならばという仮定である。
 三句「朝顔も」は、朝だけ咲く朝顔までもという意で、「も」は本来しぼむものまでもという含みをもつ。
 四句「ゆふかくるまで」の「ゆふ」は、神に手向ける木綿と夕方の掛詞で、木綿をかける神垣と、夕方までの両義を表す。
 結句「匂はざらめや」は、美しく咲かないことがあろうか、きっと咲くという反語で結ぶ。

かみがき:神社の垣根
ゆふ:神事に用いる楮の繊維の木綿と、夕方を掛ける
出典
詞花和歌集
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秋の野の花見るほどの心をば 行くとやいはむ止まるとやいはむ
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