主や誰着る人なしに藤袴
見れば野ごとにほころびにけり
- 歌の意味
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持ち主は誰なのだろう。着る人もいないのに、藤袴は、見ればどの野でもほころびていることだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 115
隆源法師の歌である。藤袴という花の名の「袴」から衣を連想し、着る人もいないのにほころびているのは誰の袴かと、花の開くさまを衣のほころびに見立てている。
「ほころぶ」に花が咲く意と衣の縫い目が解ける意を重ねた機知の歌で、『古今和歌集』以来の藤袴を衣に見立てる伝統を踏まえている。
初句「主や誰」は、持ち主は誰なのかという問いで、ここで初句切れとなる。
二句「着る人なしに」は、着る人もいないのにという意で、袴を衣として扱う。
三句「藤袴」は秋の七草の一つで、花の名の「袴」が衣の連想を生む。
四句「見れば野ごとに」は、見るとどの野でもという意である。
結句「ほころびにけり」の「ほころぶ」は、花が咲く意と衣がほころびる意の掛詞で、袴の縁語となる。
ふぢばかま:秋の七草の一つ、薄紫の花をつける
ほころぶ:花のつぼみが開く意と、衣の縫い目が解ける意を掛ける
- 作者
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隆源
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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神垣にかかるとならば朝顔も ゆふかくるまで匂はざらめや
- 次の歌
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朝な朝な露重げなる萩が枝に 心をさへもかけて見るかな