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朝な朝な露重げなる萩が枝に
心をさへもかけて見るかな

歌の意味
毎朝、露が重たげに置いている萩の枝に、露だけでなく私の心までもかけて眺めていることだ。
鑑賞
巻第三 秋歌 116

詞書「白河院、鳥羽殿にて前栽合せさせ給ひけるによめる」
 周防内侍が、白河院の鳥羽殿での前栽合で詠んだ歌である。前栽合は庭の草木を左右に分けて優劣を競う遊びである。
 露の重みでしなう萩の枝に、自分の心までもかけて見入っているという。露がかかる枝に心をかけるという言葉の重ね方が優美で、萩を愛でる気持ちがよく伝わる。

 初句「朝な朝な」は、毎朝毎朝という意で、繰り返し見ていることを示す。
 二句「露重げなる」は、露が重たそうに置いているという意である。
 三句「萩が枝に」は、萩の枝にという意で、秋の代表的な花である。
 四句「心をさへも」は、露ばかりでなく心までもという意で、「さへ」は添加を表す。
 結句「かけて見るかな」の「かく」は、露がかかる意と心をかける意の掛詞で、詠嘆の「かな」で結ぶ。

せんざいあはせ:庭の草木を左右に分けて優劣を競う遊び
かく:露が枝にかかる意と、心をかける意を掛ける
作者
周防内侍
出典
詞花和歌集
前の歌
主や誰着る人なしに藤袴 見れば野ごとにほころびにけり
次の歌
荻の葉に言問ふ人もなきものを 来る秋ごとにそよと答ふる