- 歌の意味
- 秋萩を結んで旅寝の枕にする夜は、鹿の声をすぐ近くで聞くことだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 125
詞書「題しらず」
原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を藤原伊家とする。
旅先で秋萩を結んで枕とする野宿の夜、鹿の声がすぐそばで聞こえるという。萩は鹿の妻とされる花であり、萩を枕にしたために鹿が近くに来て鳴くという趣が感じられる。前歌の遠くの鹿の声に対し、近くで聞く鹿の声を詠んで対をなしている。
初句「秋萩を」は、秋の萩をという意で、萩は鹿と取り合わせて詠まれることが多い。
二句「草の枕に」は、草を結んで作る旅寝の枕にという意である。
三句「結ぶ夜は」は、結んで枕とする夜はという意である。
四句「近くも鹿の」は、すぐ近くで鹿のという意で、前歌の第百二十四首の鹿の声と遠近の対比をなす。
結句「声を聞くかな」は、声を聞くことだという詠嘆の「かな」で結ぶ。
くさまくら:草を結んで枕とすること、旅寝
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 聞く人のなどやすからぬ鹿の音は わが妻をこそ恋ひて鳴くらめ
- 次の歌
- 秋深み花には菊の関なれば 下葉に月ももり明かしけり