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霜枯るるはじめと見ずは白菊の
うつろふ色を嘆かざらまし

歌の意味
霜で草木が枯れはじめるしるしと見るのでなければ、白菊の色が移り変わるのを嘆きはしないだろうに。
鑑賞
巻第三 秋歌 127

詞書「関白前太政大臣の家にてよめる」
 原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を源雅光とする。関白前太政大臣すなわち藤原忠通の家で詠まれた歌である。
 霜にあたって白菊が紫がかってゆく色の変化は、本来は美しいものとして賞美された。しかしそれが冬枯れの始まりのしるしであると思えば、嘆かずにはいられないという。美しさの裏にある季節の終わりを見つめた歌である。

 初句「霜枯るる」は、霜にあたって草木が枯れるという意である。
 二句「はじめと見ずは」は、その始まりと見ないならばという反実仮想の条件で、結句の「まし」と呼応する。
 三句「白菊の」は、白い菊のという意で、本巻の第百二十九首の結句「白菊の花」とも響き合う。
 四句「うつろふ色を」は、移り変わる色をという意で、霜で白菊が紫に色づくことを指す。次歌の第百二十八首も「うつろふ菊」を詠む。
 結句「嘆かざらまし」は、嘆きはしないだろうにという反実仮想で結ぶ。

うつろふ:色が変わる、花が色あせる
しもがる:霜にあたって草木が枯れる
出典
詞花和歌集
前の歌
秋深み花には菊の関なれば 下葉に月ももり明かしけり
次の歌
今年また咲くべき花のあらばこそ うつろふ菊にめかれをもせめ