いくらとも見えぬ紅葉の錦かな
誰ふたむらの山と言ひけむ
- 歌の意味
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どれほどあるとも見当がつかないほどの紅葉の錦であることだ。いったい誰が、二むら(二反)の山などと名付けたのだろう。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 131
詞書「武蔵国より上り侍りけるに、三河国二村山の紅葉を見てよめる」
原文の作者表記は番号外作者であるが、『詞花和歌集』では作者を橘能元とする。武蔵国から都へ上る途中、三河国の二村山の紅葉を見て詠んだ歌である。
山一面の紅葉を錦に見立て、数えきれないほどの錦なのに、なぜ「二むら」すなわち錦二反の山などと名付けたのかと、地名に興じている。旅の途中で見た紅葉の豊かさを、地名の掛詞によって機知的に表した歌である。
初句「いくらとも」は、どれほどともという意で、量の多さを示す。
二句「見えぬ紅葉の」は、見当もつかないほどの紅葉のという意である。
三句「錦かな」は、紅葉を錦に見立てる表現で、詠嘆の「かな」によりここで三句切れとなる。
四句「誰ふたむらの」の「ふたむら」は、三河の地名の二村山と、布の二反の意の掛詞で、錦の縁語となる。
結句「山と言ひけむ」は、山と言ったのだろうかという過去推量で、四句の「誰」と呼応する。
ふたむら:三河国の二村山(現在の愛知県豊明市付近)と、布の二反(二むら)を掛ける
むら:布を数える単位、反
- 出典
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詞花和歌集
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関越ゆる人に問はばや陸奥の 安達の真弓紅葉しにきや
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夕されば何か急がむ紅葉葉の 下照る山は夜も越えなむ