初霜も置きにけらしな今朝見れば
野辺の浅茅も色づきにけり
- 歌の意味
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初霜も降りたらしい。今朝見ると、野辺の浅茅も色づいていた。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 138
詞書「初霜をよめる」
大中臣能宣が初霜を題として詠んだ歌である。
今朝、野の浅茅が色づいているのを見て、夜のうちに初霜が降りたのだと推し量っている。目に見えない霜を、草の色の変化から知るという趣向で、秋の終わりと冬の近づきを感じさせる。巻頭の第八十二首が今朝の秋風で秋の到来を知ったのに対し、本歌は今朝の霜で秋の終わりを知っている。
初句「初霜も」は、その年はじめての霜もという意で、「も」は浅茅の色づきとあわせて示す。
二句「置きにけらしな」は、降りたらしいなという推定で、「けらし」は根拠のある推定を表す。ここで二句切れとなる。
三句「今朝見れば」は、今朝見るとという意で、推定の根拠を示す。巻頭の第八十二首の四句「今朝ぞ」と同じく、今朝の気づきを詠む。
四句「野辺の浅茅も」は、野原の丈の低い茅もという意である。
結句「色づきにけり」は、色づいていたという気づきの詠嘆で結ぶ。
あさぢ:丈の低い茅
のべ:野のあたり、野原
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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秋深み紅葉落ち敷く網代木は 氷魚のよるさへ赤く見えけり
- 次の歌
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いづかたに秋の行くらむわが宿に 今宵ばかりは雨宿りせで