外山なるしばの立ち枝に吹く風の
音聞く折ぞ冬はもの憂き
- 歌の意味
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人里近い山の雑木の高く伸びた枝に吹きつける風の音を聞く時こそ、冬はもの憂く感じられることだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 147
詞書「題しらず」
外山の雑木を鳴らす風音に、冬の憂鬱がきわまると詠む。前の落葉の歌々から、葉がすっかり落ちた後の景へと移り、裸の枝を吹く風の音そのものが冬の心となっている。
『毎月集』では十月中旬の歌である。
初句「外山なる」 「外山」は深山に対し、人里近い山。「なる」は存在を表す。
二句「しばの立ち枝に」 雑木の、まっすぐ高く伸びた枝に。葉を落とした枝が風を受ける。
三句「吹く風の」 前歌の、風に鳴る楢の葉から、葉のない枝を吹く風へと移る。
四句「音聞く折ぞ」 「ぞ」は係助詞で、結句の連体形「憂き」と係り結び。聴覚によって冬を知る点で、本巻の第百四十四首から続く音の歌の流れにある。
結句「冬はもの憂き」 「もの憂し」の連体形で係り結びの結び。冬そのものを憂鬱と言い切る。
とやま:人里近くの低い山。深山の対
しば:山野に生える小さな雑木
たちえ:高くまっすぐに伸びた枝
- 作者
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曾禰好忠
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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風吹けばならの裏葉のそよそよと 言ひ合はせつついづち散るらむ
- 次の歌
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秋はなほ木の下陰も暗かりき 月は冬こそ見るべかりけれ