み山には嵐やいたく吹きぬらむ
網代もたわに紅葉積もれり
- 歌の意味
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奥深い山では嵐がひどく吹いたのだろうか。網代もたわむほどに紅葉が積もっている。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 151
詞書「天暦御時、御屏風に、網代に紅葉多く寄りたるかた描きける所によめる」
天暦の御代、すなわち村上天皇の時代の屏風に描かれた、網代に紅葉が多く寄っている絵に添えた屏風歌である。目の前の網代にたわむほど紅葉が流れ寄っている景から、見えない上流の深山に激しい嵐が吹いたのだろうと推し量り、絵の外の情景まで広げている。
前歌までの時雨の歌から、川に流れ寄る紅葉へと紅葉の歌が締めくくられる。
初句「み山には」 「み山」は奥深い山。目に見えない遠い場所を想像する。
二句「嵐やいたく」 「や」は疑問の係助詞で、三句の連体形「らむ」と係り結び。嵐がひどく、の意。
三句「吹きぬらむ」 「ぬ」は完了、「らむ」は現在推量。見えない深山の様子を推し量り、三句切れとなる。
四句「網代もたわに」 網代がたわむほどに。巻第三の第百三十七首も紅葉の落ち敷く網代木を詠み、秋の網代の紅葉が冬の網代に受け継がれる。
結句「紅葉積もれり」 「り」は存続。紅葉が積もっている眼前の景を示し、上句の推量と実景とを対置する。
みやま:奥深い山
あじろ:川の瀬に竹や木を組んで魚をとる仕掛け。冬に宇治川などで氷魚をとった
たわ:たわむこと。「たわに」で、たわむほどに
- 作者
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平兼盛
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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庵さすならの木陰に漏る月の 曇ると見れば時雨降るなり
- 次の歌
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あられ降る交野の御野の狩衣 ぬれぬ宿貸す人しなければ