山深み焼く炭がまの煙こそ
やがて雪げの雲となりけれ
- 歌の意味
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山が深いので、そこで焼く炭がまの煙こそが、そのまま雪を降らせそうな雲となるのだったよ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 153
詞書「堀河院御時、百首歌奉りけるによめる」
深山の炭焼きの煙が立ちのぼり、そのまま雪模様の雲になってゆくと詠む。冬の山里の営みと空模様とを一続きにとらえ、霰から雪へと移る巻の流れの中で、雪を呼ぶ雲を詠んで次の初雪の歌へ橋渡しをしている。
詞書によれば『堀河百首』の歌であるが、『堀河百首』の本文ではこの歌を源国信の作としており、作者には異伝がある。
初句「山深み」 山が深いので、の意。本巻の第百四十四首と同じ初句で、落葉に時雨の降る山から、炭を焼く冬の山へと移る。
二句「焼く炭がまの」 炭を焼くかま。冬の山里を代表する景物である。
三句「煙こそ」 「こそ」は係助詞で、結句の已然形「けれ」と係り結び。
四句「やがて雪げの」 「やがて」はそのまま、「雪げ」は雪の降りそうな気配。
結句「雲となりけれ」 「けれ」は気づきの「けり」の已然形で、係り結びの結び。煙が雲へと変わることへの発見を示す。
すみがま:炭を焼くかま
ゆきげ:雪の降りそうな気配、雪模様
- 作者
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大江匡房
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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あられ降る交野の御野の狩衣 ぬれぬ宿貸す人しなければ
- 次の歌
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年を経て吉野の山に見なれたる 目に珍しき今朝の初雪