- 歌の意味
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紅葉で紅に見えていた梢も、雪が降ると、白木綿を掛けたように見える神奈備の森であることだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 157
詞書「新院位におはしましし時、雪中眺望といふ事をよませ給ひけるによみ侍りける」
新院、すなわち崇徳院が在位中に「雪中眺望」の題で詠ませた折の歌である。秋には紅に染まっていた神奈備の森の梢が、雪に覆われて神前に掛ける白木綿のように見えると、紅から白への色の転換を神域にふさわしい見立てで詠んでいる。
初句「紅に」 紅葉の赤い色を示し、四句の「白木綿」の白と鮮やかな対照をなす。
二句「見えし梢も」 「し」は過去で、かつて紅葉していた梢を回想する。本巻の第百四十二首が梢の紅葉を惜しんだのに対し、ここでは梢が雪で白く変わる。
三句「雪降れば」 雪が降ると。景色を一変させるきっかけを示す。
四句「白木綿かくる」 白い木綿を掛けた、の意で、雪の積もった梢を神事に用いる木綿に見立てる。神の森にふさわしい見立てである。
結句「神奈備の森」 神の鎮まる森。体言止めで一首を閉じる。
しらゆふ:楮の皮の繊維で作った白い糸や布。神事に用いた
かみなび:神が宿るとされる山や森
- 作者
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藤原忠通
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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奥山の岩垣紅葉散りはてて 朽葉が上に雪ぞ積もれる
- 次の歌
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待つ人の今も来たらばいかがせむ 踏ままく惜しき庭の雪かな