榊葉を手に取り持ちて祈りつる
神の代よりも久しからなむ
- 歌の意味
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榊の葉を手に取り持って祈ってきた、その神々の代よりも、なお久しく続いてほしい。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 165
神前に捧げる榊の葉を手に祈る神事の情景を背景に、祝う対象の御代や齢が、神々の世よりもなお長く続くことを願った歌である。
神代という、人の世の始まりよりも遠い時を引き合いに出しながら、それをも超える永続を願うところに、賀歌らしい大きな祝意がある。神楽などの神事の場を思わせる、敬虔で落ち着いた調べの一首である。
初句「榊葉を」は、神前に供える常緑樹の葉を示し、変わらぬ緑が永続の祈りにふさわしい。
二句「手に取り持ちて」は、榊を手に執る神事の所作を具体的に描く。
三句「祈りつる」は、完了の助動詞「つ」の連体形で次の「神」に続き、これまで祈りを捧げてきた神を示す。
四句「神の代よりも」は、神々が治めていたとされる遠い昔をいう。本巻の第百七十首「神も植ゑけむ」、第百七十一首「現人神の」と、神を詠む歌が巻末に向けて連なってゆく。
結句「久しからなむ」は、形容詞「久し」の未然形に、他者への願望を表す終助詞「なむ」が付いた形で、「久しくあってほしい」と願う。
さかきば:神前に供える常緑樹の榊の葉
かみのよ:神々が治めていたとされる遠い昔、神代
- 作者
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赤染衛門
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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君が代は白雲かかる筑波嶺の 峰の続きの海となるまで
- 次の歌
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飽かでのみ帰ると思へば桜花 折るべき春ぞ尽きせざりける