あかねさす日に向ひても思ひ出でよ
都ははれぬながめすらむと
- 歌の意味
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輝く日に向かうたびにも思い出してほしい。都では私が、晴れない長雨のなかで、晴れない心のまま物思いにふけっているだろうと。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 178
旅立つ人に、明るい日の光に向かうたびに都に残る自分を思い出してほしいと願う歌である。旅先の晴れやかな日差しと、都で長雨のように晴れない思いに沈む自分とを対比させ、残される者の憂いを伝えている。
初句「あかねさす」は「日」にかかる枕詞である。茜色に照り映える意で、明るい日差しの印象を添えている。
二句「日に向ひても」は、旅先で日の光に向かうたびにもの意。本巻の第百八十三首の「出でむ日ごとに」も、日を見るたびに都の者を思えと求めており、日の光に託して思いを通わせる趣向が呼応している。
三句「思ひ出でよ」は命令形で、旅立つ人に強く願っている。ここで三句切れとなり、四句以下は倒置で思い出す内容を示す。
四句「都ははれぬ」の「はれぬ」は、空が晴れない意と心が晴れない意とを掛ける。初句の明るい「日」と対照をなしている。
結句「ながめすらむと」の「ながめ」は、「長雨」と、物思いにふけって見やる「眺め」とを掛ける掛詞で、四句の「はれぬ」と縁語になる。「らむ」は現在推量で、都の自分の様子を相手の側から推し量らせている。
はる:空が晴れる意と、心が晴れる意を掛ける
ながめ:長く降り続く雨の意と、物思いにふけって見やる意を掛ける
- 出典
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詞花和歌集
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六年にぞ君は来まさむ住吉の まつべき身こそいたく老いぬれ
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別れ路の草葉を分けむ旅衣 たつよりかねて濡るる袖かな