東路のはるけき道を行きめぐり
いつかとくべき下紐の関
- 歌の意味
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東国へ向かう遥かな道を行きめぐって、いつになったら下紐の関を越え、別れの際に結んだ下紐を解くことができるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 184
東国への長い旅に出る者が、再会の日を思って詠んだ歌である。陸奥の歌枕「下紐の関」の名に、別れの際に結んだ下紐を重ね、いつその紐を解いて再び恋しい人と逢えるのかと、遠い道のりへの心細さと再会への思いを表している。
古くは別れに際して男女が互いの下紐を結び、再び逢うまで解かないという習わしがあったとされ、その心が歌枕に託されている。
初句「東路の」は、東国へ向かう道の意。本巻の第百七十三首の「陸奥の」と同じく、東国へ下る旅の遠さが詠まれている。
二句「はるけき道を」の「はるけし」は遠いの意で、旅路の長さを強調している。
三句「行きめぐり」は、あちこちを巡り歩いての意で、長い旅の日々を表す。
四句「いつかとくべき」の「とく」は下紐を「解く」意で、関を越えて旅を終える意を響かせる。「べき」は可能を表す連体形で、結句にかかる。
結句「下紐の関」は陸奥国の歌枕とされる。「下紐」を詠み込み、四句の「とく」と縁語をなす。体言止めで、遠い関の名に再会の願いを託して結んでいる。
とく:結んだ紐を解く。関を越えて旅を終える意を響かせる
したひも:下着の紐。別れの際に結び合い、再会まで解かないとされた
あづまぢ:東国へ通じる道
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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詞花和歌集
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暮ればまづそなたをのみぞ眺むべき 出でむ日ごとに思ひおこせよ
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立ち別れはるかにいきのまつなれば 恋しかるべき千代のかげかな