慰むる方もなくてや止みなまし
夢にも人のつれなかりせば
- 歌の意味
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心を慰める手立てもないまま終わってしまっただろうか。もし夢の中でまであの人が冷たかったならば。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 194
夢の中でだけは逢えるからこそ恋の苦しさにも耐えられるが、もし夢でさえ相手が冷たかったら慰めはなかっただろうと詠む一首である。夢の逢瀬だけを心の支えとする恋の切なさを、反実仮想の形で表している。
初句「慰むる」は、前歌の第百九十三首の三句をそのまま受け、夢の慰めを裏側から詠み返している。
二句「方もなくてや」は、手立てもなくてという意で、係助詞「や」が疑問を表す。
三句「止みなまし」は、反実仮想の助動詞「まし」で、「や」を受けて結ぶ係り結びの三句切れである。
四句「夢にも人の」は、係助詞「も」で、現実ばかりか夢の中でさえもという意を表す。
結句「つれなかりせば」は、「せば」と三句の「まし」が呼応する反実仮想で、前歌の「つれなき人も」を受けて、つれなさが夢にまで及んだらと仮定している。
かた:手段、方法
やむ:終わる。そのままになる
- 作者
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藤原公能
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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わが恋は夢路にのみぞ慰むる つれなき人も逢ふと見ゆれば
- 次の歌
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命あらば逢ふ世もあらむ世の中に など死ぬばかり思ふ心ぞ