命あらば逢ふ世もあらむ世の中に
など死ぬばかり思ふ心ぞ
- 歌の意味
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命さえあれば逢える時もあるだろうこの世の中で、どうして死ぬほどに思いつめる心なのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 195
生きてさえいればいつか逢える日もあるはずなのに、なぜ死ぬほどまでに思いつめてしまうのかと、自らの心をいぶかしむ一首である。理性では分かっていても抑えられない恋心の激しさを、自問の形で表している。
初句「命あらば」は、未然形に「ば」が付いた仮定条件で、命があるならばという前提を置く。
二句「逢ふ世もあらむ」は、推量の助動詞「む」で、逢える機会もきっとあるだろうと見通す。
三句「世の中に」は、二句の「世」と同じ語を重ね、男女の仲としての世と、この世とを意識させる。
四句「など死ぬばかり」は、疑問の副詞「など」で、なぜ死ぬほどにと自らに問いかける。
結句「思ふ心ぞ」は、終助詞的な「ぞ」で強く問い詰めて結び、恋い死にを思う心への自省を表す。
よ:機会、時。また男女の仲
- 出典
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慰むる方もなくてや止みなまし 夢にも人のつれなかりせば
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よそながらあはれと言はむことよりも 人づてならで厭へとぞ思ふ