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よそながらあはれと言はむことよりも
人づてならで厭へとぞ思ふ

歌の意味
遠く離れたままで「かわいそうに」と言ってくれるよりも、人づてではなく直接に、いっそ嫌いだと言ってほしいと思う。
鑑賞
巻第七 恋歌上 196

 相手が遠くから同情の言葉をかけてくれるよりも、人を介さず直接向き合ってくれるのなら、たとえ嫌われてもかまわないと詠む一首である。よそよそしい憐れみより、直接の拒絶のほうがまだ近いという、屈折した恋心が表れている。

 初句「よそながら」は、離れたままでという意で、相手との隔たりを示す。次歌の第百九十七首は「よその人」と「あはれと言はず」を受け、同じ語を用いながら視点を移している。
 二句「あはれと言はむ」は、推量の助動詞「む」の連体形で、同情の言葉をかけるだろうことを表す。
 三句「ことよりも」は、比較の格助詞「より」で、四句以下と比べる。
 四句「人づてならで」は、打ち消しの接続助詞「で」で、人を介してではなくという意を表す。
 結句「厭へとぞ思ふ」は、命令形の「厭へ」に係助詞「ぞ」を添え、いっそ嫌ってほしいと強く願って結ぶ。

ひとづて:人を介して伝えること
いとふ:嫌う、避ける
出典
詞花和歌集
前の歌
命あらば逢ふ世もあらむ世の中に など死ぬばかり思ふ心ぞ
次の歌
恋ひ死なば君はあはれと言はずとも なかなかよその人やしのばむ