いかばかり人のつらさを恨みまし
憂き身のとがと思ひなさずは
- 歌の意味
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どれほどあの人の冷たさを恨んだことだろう。もしそれを、つらいわが身の罪だと思いなさなかったならば。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 198
相手の冷たさは自分の不運な身のせいだと思うことで、かろうじて恨まずにいられるのだと詠む一首である。相手を責めず自分を責めることで心を保とうとする、悲しい諦めが表れている。
初句「いかばかり」は、どれほどという程度を問う副詞で、恨みの深さを想像させる。
二句「人のつらさを」は、相手の薄情さをいう。
三句「恨みまし」は、反実仮想の助動詞「まし」で、恨んだことだろうという意を表す三句切れである。本巻の第二百首も「恨みむ」で恨みの向け先を問い、同じ主題を扱っている。
四句「憂き身のとがと」は、つらい自分の身の罪過としてという意で、責めを自らに向けている。
結句「思ひなさずは」は、打ち消しの「ず」に「は」が付いた仮定で、三句の「まし」と呼応して反実仮想を形づくる。
うきみ:つらく不幸な身の上
とが:罪、過ち
おもひなす:しいてそう思う
- 出典
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詞花和歌集
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恋ひ死なば君はあはれと言はずとも なかなかよその人やしのばむ
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いかならむ言の葉にてかなびくべき 恋しといふはかひなかりけり