わがためにつらき人をばおきながら
何の罪なき世をや恨みむ
- 歌の意味
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わたしに冷たいあの人をそのままにしておいて、何の罪もない世の中を恨むことがあろうか。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 200
つらい恋の原因は冷たい相手にあるのだから、罪のない世の中を恨むのは筋違いだと詠む一首である。世を恨むのではなく相手をこそ恨むべきだという、恨みの向け先をめぐる理屈めいた発想に特色がある。
初句「わがために」は、自分に対してという意で、相手の冷たさが自分に向けられていることを示す。
二句「つらき人をば」は、冷淡な相手を、係助詞「ば」で強調して取り立てる。
三句「おきながら」は、さしおいたままでという意で、恨むべき相手を差し置くことを表す。
四句「何の罪なき」は、何の罪もないという意で、本巻の第百九十八首が「憂き身のとが」と自分を責めたのに対し、ここでは罪の所在を相手に求めている。
結句「世をや恨みむ」は、係助詞「や」と推量の「む」の連体形による係り結びの反語で、世を恨むことなどあろうかと結ぶ。
おく:さしおく。そのままにしておく
よ:世の中。また男女の仲
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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いかならむ言の葉にてかなびくべき 恋しといふはかひなかりけり
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忘るやとながらへゆけど身に添ひて 恋しきことはおくれざりけり