思はじと思へばいとど恋しきは
いづちか我が心なるらむ
- 歌の意味
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もう思うまいと思うと、ますます恋しくなるのは、いったいどちらが本当のわたしの心なのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 204
思うまいと決めるほどかえって恋しさが募ることに戸惑い、思うまいとする心と恋しがる心と、どちらが本当の自分の心なのかと問いかける一首である。自分の心でありながら思いどおりにならない、恋する心の不思議さを捉えている。
初句「思はじと」は、打ち消し意志の助動詞「じ」で、もう思うまいという決意を表す。
二句「思へばいとど」は、同じ「思ふ」を重ね、思うまいと思えばいっそうという逆説を示す。前歌の第二百三首の「しひて忘れむと思へども」に続き、忘れようとする意志が裏目に出る歌が並べられている。
三句「恋しきは」は、係助詞「は」で、恋しさが募る事態を主題として取り立てる。
四句「いづちか我が」は、係助詞「か」で、どちらがという疑問を示す。
結句「心なるらむ」は、推量の「らむ」の連体形で「か」を受けて結ぶ係り結びで、どちらが本心なのだろうかと問いかけて結ぶ。
いづち:どちら、どこ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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わびぬればしひて忘れむと思へども 心弱くも落つる涙か
- 次の歌
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心さへむすぶの神や作りけむ 解くるけしきも見えぬ君かな