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心さへむすぶの神や作りけむ
解くるけしきも見えぬ君かな

歌の意味
あなたの心までも、結ぶの神が結んで作ったのだろうか。少しも打ち解ける様子の見えないあなただなあ。
鑑賞
巻第七 恋歌上 205

 縁結びの神である結ぶの神の名にことよせ、相手の心までも固く結ばれて作られたのか、まったく打ち解けてくれないと嘆く一首である。「結ぶ」と「解く」の縁語を生かした機知のうちに、つれない相手へのもどかしさがこめられている。

 初句「心さへ」は、副助詞「さへ」で、体だけでなく心までもという意を添える。
 二句「むすぶの神や」は、万物を生み出す神である産霊の神と、固く結ぶ意の「結ぶ」とを掛け、係助詞「や」で疑問を示す。
 三句「作りけむ」は、過去推量の「けむ」の連体形で「や」を受けて結ぶ係り結びの三句切れである。
 四句「解くるけしきも」は、「解く」が二句の「結ぶ」と縁語をなし、打ち解ける様子もという意を表す。
 結句「見えぬ君かな」は、詠嘆の「かな」で、打ち解けない相手への嘆きを込めて結ぶ。

むすぶのかみ:万物を生み出す産霊の神と、固く結ぶ意を掛ける。縁結びの神とされた
とく:結び目がほどける意と、心が打ち解ける意を重ねる
作者
能因
出典
詞花和歌集
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