身のほどを思ひ知りぬることのみや
つれなき人の情けなるらむ
- 歌の意味
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自分の身の程を思い知らされたことだけが、冷たいあの人が与えてくれた情けなのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 209
つれない相手から得たものといえば、自分の身の程を思い知らされたことだけであり、それこそが相手の情けなのかと自嘲する一首である。冷たさを「情け」と言い換える皮肉に、報われない恋の苦さがにじんでいる。
初句「身のほどを」は、自分の身分や立場の程度をいう。
二句「思ひ知りぬる」は、完了の「ぬ」の連体形で、すっかり思い知ったことを表す。
三句「ことのみや」は、副助詞「のみ」で限定し、係助詞「や」で疑問を示す。
四句「つれなき人の」は、冷淡な相手をいう。本巻の第百九十三首、第百九十四首の「つれなき人」「人のつれなかりせば」とも響き合う。
結句「情けなるらむ」は、推量の「らむ」の連体形で「や」を受けて結ぶ係り結びで、それが情けなのだろうかと皮肉をこめて結ぶ。
みのほど:自分の身分や立場の程度
なさけ:思いやり、情愛
- 出典
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七夕に今朝引く糸の露をおもみ たわむけしきを見でや止みなむ
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わびつつも同じ都は慰めき 旅寝ぞ恋の限りなりける