- 歌の意味
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思い悩みながらも、同じ都にいるうちは心が慰められていた。旅先でのひとり寝こそが、恋の苦しさの極みであったことだ。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 210
逢えずに悩んでいても、同じ都に住んでいる間はまだ慰めがあったが、都を離れた旅寝こそ恋のつらさの極みだと気づいたと詠む一首である。恋人と同じ空の下にいるという、それだけの慰めの大きさを、離れてはじめて知る心が表れている。
初句「わびつつも」は、反復継続の「つつ」と係助詞「も」で、悩み続けながらもという意を表す。
二句「同じ都は」は、恋人と同じ都にいる間はという意で、係助詞「は」で旅先と対比させている。
三句「慰めき」は、過去の助動詞「き」で、都では慰められていたと回想する三句切れである。
四句「旅寝ぞ恋の」は、係助詞「ぞ」で旅寝を強く取り立てる。都と旅、近さと遠さの対照が一首の骨格となっている。
結句「限りなりける」は、「ぞ」を受けて詠嘆の「けり」の連体形で結ぶ係り結びで、旅寝こそ恋の極みであったと気づいて結ぶ。
わぶ:思い悩む。つらく思う
たびね:旅先で寝ること
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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身のほどを思ひ知りぬることのみや つれなき人の情けなるらむ
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風をいたみ岩打つ波のおのれのみ くだけてものを思ふころかな