- 歌の意味
- 紅色に濃く染めた衣を上に着よう。恋の血の涙の色が、それで隠れるかと思って。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 218
恋の悲しみに流す紅の涙、つまり血の涙で袖が染まるのを、上から濃い紅の衣を着て隠そうとする一首である。人に知られまいとする忍ぶ恋の心を、色の趣向で表している。
初句「紅の」は、鮮やかな赤色で、紅の涙と重ねられる色である。本歌から第二百二十首までの三首は、いずれも「紅」と「涙」を詠み、紅の涙を隠す、紅に染める、紅に変わると、同じ色を三様に展開している。
二句「濃染めの衣」は、濃く染めた衣をいう。
三句「上に着む」は、意志の助動詞「む」で、上に重ねて着ようという意を表す三句切れである。
四句「恋の涙の」は、恋の悲しみのあまり流す、血の色に染まった涙をいう。
結句「色隠るやと」は、係助詞「や」で、隠れるだろうかという期待を示し、理由を倒置して結ぶ。
こぞめ:色を濃く染めること
くれなゐのなみだ:悲しみのあまり流す血の色の涙
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 白菊の変はらぬ色も頼まれず うつろはでやむあきしなければ
- 次の歌
- 忍ぶれど涙ぞしるき紅に もの思ふ袖は染むべかりけり