うれしきはいかばかりかは思ふらむ
憂きは身にしむものにぞありける
- 歌の意味
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うれしいことは、人はどれほど深く思うのだろうか。つらいことは、身にしみるものであったことだ。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 223
うれしいことがどれほど心に残るものかは分からないが、つらいことは確かに身にしみるものだと気づいたと詠む一首である。前歌の問いに応じるように、喜びよりも悲しみのほうが深く心に刻まれるという実感を述べている。
初句「うれしきは」は、係助詞「は」でうれしさを取り立てる。前歌の第二百二十二首の「うれしきことを」を受け、その答えのように置かれている。
二句「いかばかりかは」は、どれほどという程度を問い、係助詞「かは」で疑問を示す。
三句「思ふらむ」は、推量の「らむ」の連体形で「かは」を受けて結ぶ係り結びの三句切れである。
四句「憂きは身にしむ」は、初句の「うれしき」と対をなし、つらさは身にしみるという実感を示す。
結句「ものにぞありける」は、係助詞「ぞ」と詠嘆の「けり」の連体形による係り結びで、そうであったと気づいて結ぶ。
みにしむ:身にしみて深く感じる
- 作者
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藤原道信
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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つらさをば君にならひて知りぬるを うれしきことを誰に問はまし
- 次の歌
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恋すれば憂き身さへこそ惜しまるれ 同じ世にだに住まむと思へば