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御垣守衛士のたく火の夜は燃え
昼は消えつつものをこそ思へ

歌の意味
宮中の御門を守る衛士がたくかがり火が、夜は燃えて昼は消えているように、わたしも夜は恋の思いに燃え、昼は消え入るように思い悩んでいる。
鑑賞
巻第七 恋歌上 225

詞書「題しらず」
 宮中の門を警護する衛士のかがり火が、夜は燃え昼は消えるさまに、夜は恋の炎に身を焦がし、昼は消え入るばかりに沈み込む自分の心をたとえた一首である。夜と昼、燃えると消えるの鮮やかな対比が、恋の苦しみの起伏を描き出している。
 小倉百人一首の第四十九番に採られ、藤原定家の『定家八代抄』『八代集秀逸』にも選ばれている。一方、古今和歌六帖に似た形の歌が作者不明で見えることから、能宣の作とすることを疑う説もある。

 初句「御垣守」は、宮中の御垣を守る者の意で、初句から二句までは「夜は燃え昼は消え」を導く序詞となる。
 二句「衛士のたく火の」は、諸国から召されて宮門を警護した衛士がたくかがり火をいう。本巻の巻頭の第百八十七首から続く恋の火の比喩が、ここで宮中の夜の景として描かれている。
 三句「夜は燃え」は、かがり火が夜に燃える意と、夜に恋心が燃え上がる意とを重ねている。
 四句「昼は消えつつ」は、三句と対句をなし、火が昼に消える意と、昼に心が消え入るように沈む意とを重ねる。
 結句「ものをこそ思へ」は、係助詞「こそ」と已然形「思へ」による係り結びで、思い悩んでいることを強く言い切って結ぶ。

みかきもり:宮中の御垣を守る者
ゑじ:諸国から召されて宮中の門を警護した兵士
作者
大中臣能宣
出典
詞花和歌集
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恋すれば憂き身さへこそ惜しまるれ 同じ世にだに住まむと思へば
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わが恋やふたみ変はれる玉櫛笥 いかにすれどもあふかたもなき