わが恋やふたみ変はれる玉櫛笥
いかにすれどもあふかたもなき
- 歌の意味
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わたしの恋は、蓋と身が取り違えられた櫛箱なのだろうか。どうしても合う方法がないように、どうしても逢う手立てがない。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 226
蓋と本体が取り違えられて、どうやってもぴったり合わない櫛箱にわが恋をたとえた一首である。「合ふ」と「逢ふ」を掛けた機知によって、逢う手立てのない恋のもどかしさを表している。
初句「わが恋や」は、係助詞「や」で、わたしの恋はという疑問を示す。本巻の第百九十三首、第二百十二首と同じく「わが恋」を何かに見立てる型の歌である。
二句「ふたみ変はれる」は、櫛笥の「蓋」と「身」をいい、それが入れ替わったことを表す。
三句「玉櫛笥」は、櫛などを入れる美しい箱で、蓋と身から成ることから二句と縁語をなす。
四句「いかにすれども」は、逆接の「ども」で、どのようにしてもという意を表す。
結句「あふかたもなき」は、蓋と身が「合ふ」意と、恋人に「逢ふ」意とを掛け、初句の「や」を受けて連体形で結ぶ。
ふたみ:箱の蓋と身
たまくしげ:櫛などを入れる美しい箱
あふ:蓋と身が合う意と、恋人に逢う意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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御垣守衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつものをこそ思へ
- 次の歌
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氷して音はせねども山川の 下に流るるものと知らずや