ほどもなく暮るると思ひし冬の日の
心もとなき折もありけり
- 歌の意味
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あっという間に暮れてしまうと思っていた冬の日が、暮れるのを待ち遠しく思う時もあったことだ。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 231
短くすぐに暮れると思っていた冬の日さえ、恋人に逢える夜を待つ身には、なかなか暮れずにじれったく感じられる時があったと詠む一首である。恋によって時の感じ方が一変することを、冬の日の短さという誰もが知る実感を通して表している。
初句「ほどもなく」は、間もなくという意で、冬の日の短さを示す。
二句「暮るると思ひし」は、過去の助動詞「き」の連体形で、以前はそう思っていたと回想する。
三句「冬の日の」は、日の短い冬の一日をいう。本巻の第百九十二首が長い年月の変わらなさを詠んだのに対し、ここでは一日の長さを恋の尺度で詠んでいる。
四句「心もとなき」は、待ち遠しくじれったいという意で、夜の逢瀬を待ちわびる心を表す。
結句「折もありけり」は、詠嘆の「けり」で、そうした時もあったと気づいて結ぶ。
をり:時、場合
- 作者
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道命
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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播磨なる飾磨に染むるあながちに 人を恋しと思ふころかな
- 次の歌
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恋ひわびて独り伏せ屋に夜もすがら 落つる涙やおとなしの滝