君を我が思ふ心は大原や
いつしかとのみすみやかれつつ
- 歌の意味
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あなたをわたしが思う心は、炭焼きの里の大原のように、早く早くとばかり思って焦がれ続けている。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 233
恋しい人を思う心を、炭焼きの里として知られた大原にことよせて詠んだ一首である。早く逢いたいと待ちわびる心を、炭が焼かれるさまに重ね、恋に焦がれるもどかしさを機知的に表している。
恋歌下の巻頭に置かれた歌で、焦がれる恋心から始まる本巻は、恋しさそのものがなければよいと願う巻末の第二百七十一首で閉じられる。
初句「君を我が」は、恋の相手を先に示し、二句の「思ふ心」へと続ける。
二句「思ふ心は」は、係助詞「は」で恋心を主題として取り立てる。
三句「大原や」は、山城国の歌枕で、炭焼きの里として知られた。間投助詞「や」で地名を詠嘆的に示し、結句の「炭焼く」を導いている。
四句「いつしかとのみ」は、早く早くとばかりという意で、副助詞「のみ」が待ちきれない思いの一途さを強める。
結句「すみやかれつつ」は、大原の炭が「焼かれ」る意に、思いに身を焦がす意を重ね、四句の「いつしか」と呼応して「速やか」の音も響かせる。反復継続の「つつ」で、焦がれ続ける心を示して結ぶ。
おほはら:山城国の地名。炭焼きの里として知られた
すみやく:炭を焼く意に、思いに身を焦がす意を重ね、「速やか」の音も響かせる
- 出典
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