竹の葉に玉貫く露にあらねども
まだよをこめておきにけるかな
- 歌の意味
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竹の葉に玉を貫いたように置く露ではないけれど、わたしもまだ夜の深いうちに起きて、あの人のもとを出てきたことだ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 237
竹の葉に玉のように置く露を引き合いに出し、露ではない自分も、まだ夜の明けないうちに起きて恋人のもとを去ったと詠む一首である。露が「置く」と人が「起く」とを掛け、後朝の別れの早さを惜しむ心を表している。
初句「竹の葉に」は、露の置く場所を示す。本巻の第二百五十四首も同じ初句で始まり、竹の葉に置く露と、竹の葉に降るあられとが詠み分けられている。
二句「玉貫く露に」は、露を糸に貫いた玉にたとえる表現である。
三句「あらねども」は、逆接の「ども」で、露ではないけれどもという意を表す。
四句「まだよをこめて」は、まだ夜の深いうちにという意で、「よ」には竹の節を意味する「よ」が掛けられ、初句の「竹」と縁語をなす。
結句「おきにけるかな」は、露が「置く」意と人が「起く」意とを掛け、詠嘆の「かな」で結ぶ。前の二首に続き、夜深く恋人のもとを去る後朝の歌である。
たまぬく:玉に糸を通してつなぐ
よ:夜の意と、竹の節の意を掛ける
おく:露が置く意と、寝床から起きる意を掛ける
- 作者
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藤原実方
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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心をばとどめてこそは帰りつれ あやしや何の暮れを待つらむ
- 次の歌
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皆人の惜しむ日なれど我はただ 遅く暮れゆく嘆きをぞする