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住吉の浅沢小野の忘れ水
絶え絶えならで逢ふよしもがな

歌の意味
住吉の浅沢小野の忘れ水が途切れ途切れに流れるような、とだえがちな仲ではなく、絶えず逢う手立てがあればよいのに。
鑑賞
巻第八 恋歌下 239

 住吉の浅沢小野を流れる忘れ水を序として、とだえがちな逢瀬ではなく、絶え間なく逢える手立てを願う一首である。野中にひっそりと途切れ途切れに流れる水に、ままならない恋の仲を重ねている。

 初句「住吉の」は、摂津国の歌枕で、初句から三句までは「絶え絶え」を導く序詞である。
 二句「浅沢小野の」は、住吉にあった沢や野をいい、歌枕として詠まれた。
 三句「忘れ水」は、野中などに人に知られず絶え絶えに流れる水をいい、「忘れ」に恋人に忘れられる意も響かせている。
 四句「絶え絶えならで」は、打ち消しの接続助詞「で」で、途切れ途切れではなくという意を表す。本巻の第二百五十八首の「筧の水の絶え絶えに」も、水の途切れに仲の途絶えを重ねている。
 結句「逢ふよしもがな」は、願望の終助詞「もがな」で、逢う手立てがあればよいのにと結ぶ。巻第七の第百九十首と同じ結句である。

あさざはをの:摂津国住吉にあった沢や野。歌枕
わすれみづ:野中などに人に知られず絶え絶えに流れる水
よし:手段、方法
出典
詞花和歌集
前の歌
皆人の惜しむ日なれど我はただ 遅く暮れゆく嘆きをぞする
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我のみや思ひおこせむあぢきなく 人は行方も知らぬものゆゑ