堰きとむる岩間の水もおのづから
下には通ふものとこそ聞け
- 歌の意味
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せき止められている岩間の水も、自然と下のほうでは通い合うものだと聞いている。わたしたちの仲も、表では隔てられていても、心の底では通じ合えるはずだ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 243
せき止められた岩間の水も、下のほうではおのずから流れ通うと聞くと詠み、人目に隔てられた恋も、心の底では通い合うはずだと訴える一首である。障害に阻まれた恋の希望を、水の流れに託している。
初句「堰きとむる」は、流れをせき止める意で、恋を妨げる障害を暗示する。
二句「岩間の水も」は、係助詞「も」で、せき止められた岩間の水でさえもという意を表す。巻第七の第二百二十九首の、岩にせかるる滝川と同じく、岩が恋の障害として描かれている。
三句「おのづから」は、自然にという意で、妨げても止められない流れを示す。
四句「下には通ふ」は、水が下を流れ通う意と、表に出さずとも心が通い合う意とを重ねている。巻第七の第二百二十七首の、氷の下を流れる山川と同じ発想である。
結句「ものとこそ聞け」は、係助詞「こそ」と已然形「聞け」による係り結びで、そう聞いていると強く言い切り、相手の心を促して結ぶ。
せきとむ:流れをせき止める
いはま:岩と岩の間
かよふ:行き来する。また心が通じ合う
- 出典
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詞花和歌集
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