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いづくをも夜離るることのわりなきに
二つに分くる我が身ともがな

歌の意味
どちらの女のもとへも、通わない夜ができてしまうのがどうにもつらいので、二つに分けられる我が身であればよいのに。
鑑賞
巻第八 恋歌下 245

 二人の女性のもとに通う男が、どちらにも夜離れをしてしまうのがつらく、いっそ身を二つに分けられたらと願う一首である。恋の板挟みを、身を分けたいという大胆な願いで表した、ユーモアを含んだ歌である。

 初句「いづくをも」は、どちらのところをもという意で、通う先が複数あることを示す。
 二句「夜離るることの」は、男が女のもとへ夜に通わなくなる意の「夜離る」で、どちらかに通えない夜ができることを表す。
 三句「わりなきに」は、どうにもならずつらいのでという意で、理由を表す。
 四句「二つに分くる」は、身を二つに分けるという意で、願いの内容を示す。
 結句「我が身ともがな」は、願望の終助詞「もがな」で、そうした我が身であればよいのにと結ぶ。本巻の第二百五十五首も「ともがな」で結び、かなわぬ願いを詠んでいる。

よがる:男が女のもとに夜通わなくなる
出典
詞花和歌集
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