竹の葉にあられ降るなりさらさらに
独りは寝べき心地こそせね
- 歌の意味
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竹の葉にあられが降っている音がする。そのさらさらという音を聞くと、とても独りで寝られそうな気持ちはしない。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 254
詞書「頼めたりける男を今や今やと待ちけるに、前なる竹の葉にあられの降りかかりけるを聞きてよめる」
訪れを約束した男を今か今かと待つ夜、家の前の竹の葉にあられが降りかかる音を聞いて詠んだ一首である。あられの音の「さらさら」を、決してという意の副詞「さらさらに」に転じ、独り寝のできない心細さと待ちわびる思いを表している。
藤原定家の秀歌撰『定家八代抄』に採られている。
初句「竹の葉に」は、本巻の第二百三十七首と同じ初句で、露の置く竹の葉に対し、ここではあられの降りかかる竹の葉を詠んでいる。
二句「あられ降るなり」は、音から推定する助動詞「なり」で、あられが降っている音がすることを表す二句切れである。
三句「さらさらに」は、あられが竹の葉を打つ音と、決してという意の副詞とを重ね、四句以下の打ち消しへ続く。
四句「独りは寝べき」は、可能の意の「べし」の連体形で、独りで寝られそうなという意を表す。
結句「心地こそせね」は、係助詞「こそ」と打ち消しの「ず」の已然形「ね」による係り結びで、そうした気持ちはまったくしないと結ぶ。
たのむ:あてにさせる。約束して期待させる
ぬ:寝る
- 作者
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和泉式部
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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御狩野のしばしの恋はさもあらばあれ 反りはてぬるか矢形尾の鷹
- 次の歌
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ありふるも苦しかりけりながらへぬ 人の心を命ともがな