ありふるも苦しかりけりながらへぬ
人の心を命ともがな
- 歌の意味
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生き長らえているのも苦しいことだった。長続きしないあの人の心を、わたしの命としたいものだ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 255
つれない相手を思いながら生き続けるのはつらいと嘆き、長続きしない相手の心と同じだけの短い命であればよいと願う一首である。相手の心変わりの早さを皮肉りつつ、生きる苦しみを訴える激しさがある。
初句「ありふるも」は、生き長らえていることもという意で、係助詞「も」で取り立てる。
二句「苦しかりけり」は、詠嘆の「けり」で、苦しいことだと気づく二句切れである。
三句「ながらへぬ」は、打ち消しの「ず」の連体形で、長続きしないという意を表し、四句の「人の心」にかかる。
四句「人の心を」は、移ろいやすい相手の心をいう。
結句「命ともがな」は、願望の終助詞「もがな」で、それをわが命としたいものだと結ぶ。本巻の第二百四十五首と同じく、「ともがな」でかなわぬ願いを詠んでいる。
ありふ:生き長らえる。この世に住み続ける
ながらふ:長く続く。生き長らえる
- 作者
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相模
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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竹の葉にあられ降るなりさらさらに 独りは寝べき心地こそせね
- 次の歌
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憂きながらさすがにものの悲しきは 今は限りと思ふなりけり