訪はぬ間をうらむらさきに咲く藤の
何とてまつにかかりそめけむ
- 歌の意味
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訪れてくれない間を恨みながら、うら紫に咲く藤が松にかかるように、どうしてあの人を待つ身になってしまったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 257
松にからまって咲く藤の花にことよせ、訪れない相手を恨みつつ待つ身になったことを嘆く一首である。「うら紫」に「恨む」を、「松」に「待つ」を掛け、藤と松の取り合わせによって、待つ恋の切なさを表している。
初句「訪はぬ間を」は、相手が訪れない間をいう。
二句「うらむらさきに」は、「恨む」と、薄い紫色をいう「うら紫」とを掛けている。
三句「咲く藤の」は、紫に咲く藤の花で、二句の「紫」から続き、四句の「松」とともに藤と松の取り合わせを形づくる。
四句「何とてまつに」は、どうしてという疑問を示し、「松」と「待つ」を掛けている。
結句「かかりそめけむ」は、藤が松にかかる意と、待つ身にかかわりはじめる意とを重ね、過去推量の「けむ」の連体形で、どうしてそうなりはじめたのだろうかと結ぶ。
うらむらさき:恨む意と、薄い紫色の「うら紫」を掛ける
まつ:藤がからまる松と、人を待つ意を掛ける
かかりそむ:かかりはじめる。かかわりはじめる
- 出典
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詞花和歌集
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憂きながらさすがにものの悲しきは 今は限りと思ふなりけり
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思ひやれ筧の水の絶え絶えに なりゆくほどの心細さを