思ひやれ筧の水の絶え絶えに
なりゆくほどの心細さを
- 歌の意味
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思いやってほしい。筧の水が途切れ途切れになっていくように、あなたの訪れがとだえがちになっていくこのころの心細さを。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 258
筧から流れる水が細く途切れがちになるさまに、恋人の訪れが間遠になっていく心細さを重ね、その思いを汲み取ってほしいと訴える一首である。
初句「思ひやれ」は、命令形で相手に思いやってほしいと呼びかける初句切れであり、倒置によって結句の「心細さを」を受ける。
二句「筧の水の」は、竹や木の樋で引いた水で、山里の住まいを思わせる景である。
三句「絶え絶えに」は、水が途切れる意と訪れが途絶えがちになる意とを重ねる。本巻の第二百三十九首も「絶え絶えならで」と、水の途切れに恋の仲を重ねている。
四句「なりゆくほどの」は、しだいにそうなっていく時分のという意を表す。
結句「心細さを」は、初句の「思ひやれ」の目的語を倒置して置き、心細さを訴えて結ぶ。
かけひ:竹や木で作った、水を引くための樋
- 出典
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詞花和歌集
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訪はぬ間をうらむらさきに咲く藤の 何とてまつにかかりそめけむ
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鶯は木伝ふ花の枝にても 谷の古巣を思ひ忘るな