- 歌の意味
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鶯よ、枝から枝へと渡る花の枝にいても、もとの谷の古巣のことを忘れないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 259
花の枝を渡り歩く鶯に呼びかけ、華やかな所にいても谷の古巣を忘れないでほしいと詠む一首である。新しい場所に移った相手に、もとの住みかを、そしてそこにいる自分を忘れないでほしいと願う心を、鶯と古巣にたとえている。
初句「鶯は」は、係助詞「は」で鶯を取り立て、相手を鶯にたとえて呼びかける。次歌の第二百六十首も同じ初句で始まり、二首は応答する形で並べられている。
二句「木伝ふ花の」は、枝から枝へと伝い渡る意で、華やかな所を渡り歩く様子を表す。
三句「枝にても」は、係助詞「も」で、花の枝にいてもという意を表す。
四句「谷の古巣を」は、鶯がもと住んでいた谷の巣で、相手のもとの住まいと、そこに残る自分とをたとえる。次歌でもそのまま同じ句が用いられている。
結句「思ひ忘るな」は、禁止の終助詞「な」で、忘れないでほしいと結ぶ。
こづたふ:枝から枝へと伝い移る
ふるす:もと住んでいた巣
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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思ひやれ筧の水の絶え絶えに なりゆくほどの心細さを
- 次の歌
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鶯は花の都も旅なれば 谷の古巣を忘れやはする