- 歌の意味
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鶯にとっては、花の咲く都も旅先にすぎないのだから、谷の古巣を忘れることなどあろうか。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 260
前歌の、谷の古巣を忘れるなという呼びかけに応じる形で、華やかな都も旅の宿にすぎず、もとの古巣を忘れはしないと詠む一首である。相手の不安を打ち消し、変わらぬ心を示している。
作者の行尊は園城寺の僧で、修験の行者としても知られた歌人である。
初句「鶯は」は、前歌の第二百五十九首の初句をそのまま受け、同じ鶯に自分をなぞらえて答えている。
二句「花の都も」は、花の咲き誇る華やかな都をいい、前歌の「花の枝」を都に置き換えている。
三句「旅なれば」は、已然形に「ば」が付いた確定条件で、旅先にすぎないのでという理由を示す。
四句「谷の古巣を」は、前歌と同じ句で、もとの住みかを指す。
結句「忘れやはする」は、反語の係助詞「やは」と連体形「する」による係り結びで、忘れることなどあろうかと結ぶ。前歌の「思ひ忘るな」に答えるもので、本巻の第二百六十三首も同じ結句をもつ。
ふるす:もと住んでいた巣
- 作者
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行尊
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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鶯は木伝ふ花の枝にても 谷の古巣を思ひ忘るな
- 次の歌
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夜を重ね霜とともにしおきゐれば ありしばかりの夢だにも見ず