浅茅生に今朝置く露の寒けくに
かれにし人のなぞや恋しき
- 歌の意味
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浅茅の生えた野に今朝置いた露が寒々としているので、枯れていく草のように離れていってしまった人が、どうしてこうも恋しいのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 264
浅茅の野に置く朝露の寒々しさに誘われ、離れていった恋人がなぜか恋しく思われると詠む一首である。「枯れ」と「離れ」を掛け、冷えびえとした野の景に、去った人を思う心の寂しさを重ねている。
初句「浅茅生に」は、丈の低い茅が生えた荒れた野をいう。
二句「今朝置く露の」は、今朝置いた露をいい、三句の寒さへ続く。
三句「寒けくに」は、形容詞「寒し」のク語法で、寒いのでという理由を表す。
四句「かれにし人の」は、草が「枯れ」る意と、人が「離れ」る意とを掛け、初句の「浅茅生」と縁語をなす。
結句「なぞや恋しき」は、係助詞「や」と連体形「恋しき」による係り結びで、どうして恋しいのかと自らに問いかけて結ぶ。
あさぢふ:丈の低い茅の生えている所
かる:草が枯れる意と、人が離れていく意を掛ける
- 作者
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藤原基俊
- 出典
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詞花和歌集
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汲み見てし心一つをしるべにて 野中の清水忘れやはする
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忘らるる身はことわりと知りながら 思ひあへぬは涙なりけり