春日山北の藤波咲きしより
栄ゆべしとはかねて知りにき
- 歌の意味
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春日山の北の藤の花が咲いたときから、栄えるに違いないとは前もって知っていた。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 282
春日山の北に咲く藤の花に、藤原氏の北家を重ね、その一門が栄えることは初めから分かっていたと詠む一首である。春日山は藤原氏の氏神である春日社の山であり、北の藤波に北家の繁栄をことほぐ祝いの心がこめられている。
花の歌の続くなかで、桜、山吹に続いて藤が詠まれ、春の花の移り変わりに沿った配列となっている。
初句「春日山」は、大和国の歌枕で、藤原氏の氏神である春日社の山をいう。
二句「北の藤波」は、春日山の北に咲く藤の花をいい、藤原氏の北家を重ねている。本巻の第三百三十九首も、藤に藤原氏を重ねて枯れゆく藤の末葉を詠んでいる。
三句「咲きしより」は、過去の「き」の連体形と格助詞「より」で、咲いたときからという起点を示す。
四句「栄ゆべしとは」は、推量の「べし」で、栄えるに違いないとはという意を表す。
結句「かねて知りにき」は、完了の「ぬ」と過去の「き」で、前もって知っていたと言い切って結ぶ。
ふぢなみ:藤の花房が風に揺れるさまを波に見立てた語。藤の花
かすがやま:大和国の山。藤原氏の氏神である春日社がある
- 作者
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源師頼
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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誰かこの数は定めし我はただ とへとぞ思ふ山吹の花
- 次の歌
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美作や久米の佐良山と思へども 和歌の浦とぞ言ふべかりける