和歌の浦と言ふにて知りぬ風吹かば
波の立ちこと思ふなるべし
- 歌の意味
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和歌の浦と言うことで分かった。風が吹いたなら、波よ立ち寄せて来いと思っているのだろう。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 284
前歌の、ここを和歌の浦と呼ぶべきだという言葉を受け、和歌の浦と言うからには、風が吹けば波が立ち寄せて来いと思っているのだろうと応じた一首である。和歌の浦の縁で波を持ち出し、歌が次々と詠み出されることを、波の立つさまになぞらえて切り返したものと見られる。
前歌の第二百八十三首と贈答の形で並べられている。
初句「和歌の浦と」は、前歌の四句をそのまま受けて詠み出している。
二句「言ふにて知りぬ」は、完了の「ぬ」で、そう言うことで分かったという二句切れである。
三句「風吹かば」は、未然形に「ば」が付いた仮定で、風が吹いたならばという意を表す。
四句「波の立ちこと」は、立ち来いという意で、和歌の浦の縁で波を持ち出している。
結句「思ふなるべし」は、断定の「なり」と推量の「べし」で、そう思っているのだろうと推し量って結ぶ。
たちく:立ってやって来る。波が立ち寄せて来る
- 作者
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源仲正
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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美作や久米の佐良山と思へども 和歌の浦とぞ言ふべかりける
- 次の歌
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雲居より貫きかくる白玉を 誰布引の滝と言ひけむ