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難波江の繁き葦間を漕ぐ舟は
棹の音にぞ行く方を知る

歌の意味
難波江の茂った葦の間を漕いでいく舟は、姿は見えず、棹の音によってその行く方向が分かる。
鑑賞
巻第九 雑歌上 286

 難波江の茂る葦に隠れて舟の姿は見えないが、棹をさす音でどこへ進んでいくのかが分かると詠む一首である。目に見えない舟の動きを音でとらえ、葦の茂る入り江の静けさを印象深く描いている。
 巻末の第三百四十七首も「難波江の」で始まり、葦間に宿る月を詠んでいる。

 初句「難波江の」は、摂津国の歌枕で、葦の名所として知られた入り江をいう。
 二句「繁き葦間を」は、茂った葦の間をいい、舟の姿を隠すものとして示す。
 三句「漕ぐ舟は」は、係助詞「は」で舟を主題として取り立てる。
 四句「棹の音にぞ」は、係助詞「ぞ」で、棹の音によってこそと強調する。
 結句「行く方を知る」は、連体形「知る」で「ぞ」を受けて結ぶ係り結びで、舟の行く方向が分かると結ぶ。

なにはえ:摂津国の入り江。葦の名所として知られた歌枕
あしま:葦の生えている間
出典
詞花和歌集
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雲居より貫きかくる白玉を 誰布引の滝と言ひけむ
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