池水に宿れる月はそれながら
眺むる人の影ぞ変はれる
- 歌の意味
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池の水に映っている月は昔のままだが、それを眺める人の姿は変わってしまった。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 290
池の水に映る月は昔と変わらないのに、それを眺める人の姿は変わってしまったと詠む一首である。変わらない自然と移ろう人の世とを対比させ、時の流れに対する感慨を表している。
本巻の第三百八首も、荒れた宿で月だけが昔のままだと詠んでおり、変わらぬ月と変わる人の世という同じ主題を扱っている。
初句「池水に」は、池の水面に月の映ることを示す。
二句「宿れる月は」は、存続の「り」の連体形で、水に映っている月をいい、係助詞「は」で取り立てる。
三句「それながら」は、そのままでという意で、月が昔と変わらないことを表す。
四句「眺むる人の」は、月を眺める人をいい、二句の「月」と対比される。
結句「影ぞ変はれる」は、係助詞「ぞ」と存続の「り」の連体形「る」による係り結びで、人の姿が変わってしまったと結ぶ。「影」は人の姿の意で、水に映る影も響かせている。
やどる:映る。宿る
かげ:姿、面影
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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月は入り人は出でなばとまりゐて 独りや我が空を眺めむ
- 次の歌
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世の中を思ひな入りそ三笠山 さし出づる月の澄まむ限りは