世の中を思ひな入りそ三笠山
さし出づる月の澄まむ限りは
- 歌の意味
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世の中のことを深く思い詰めてはいけない。三笠山にさし出る月が澄んで照っているかぎりは。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 291
三笠山にさし出る月が澄みわたっているかぎり、世の中のことを深く思い詰めるなと諭す一首である。三笠山は春日社のある山で、月の澄む限りはという言葉に、なお頼むべきものがあるという励ましをこめている。
本巻の第三百六首、第三百三十五首にも三笠山が詠まれている。
初句「世の中を」は、この世のことをいう。
二句「思ひな入りそ」は、「な…そ」の禁止の形で、思い詰めてはいけないという二句切れである。
三句「三笠山」は、大和国の歌枕で、春日社のある山として知られた。
四句「さし出づる月の」は、山の端から昇ってくる月をいう。
結句「澄まむ限りは」は、推量の「む」の連体形で、月が澄んで照っているであろう限りはと、倒置によって二句の禁止の条件を示して結ぶ。
おもひいる:深く思い詰める
みかさやま:大和国の山。春日社がある歌枕
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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池水に宿れる月はそれながら 眺むる人の影ぞ変はれる
- 次の歌
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月清み田中に立てる仮庵の 影ばかりこそ曇りなりけれ