月清み田中に立てる仮庵の
影ばかりこそ曇りなりけれ
- 歌の意味
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月が清らかに照っているので、田の中に立っている仮小屋の影ばかりが、ただ一つの曇りであったことだ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 292
月が清く照りわたる夜の田園で、田の中に建つ仮小屋の落とす影だけが、明るさの中の唯一の曇りだと詠む一首である。一面の月光と小さな影とを対比させ、澄みきった月夜の明るさを印象深く表している。
作者の崇徳院は、藤原顕輔に命じて詞花和歌集を編ませた天皇である。
初句「月清み」は、「清し」の語幹に「み」が付いた形で、月が清らかなのでという理由を表す。
二句「田中に立てる」は、存続の「り」の連体形で、田の中に建っている様子を表す。
三句「仮庵の」は、田の番をするための仮小屋をいう。
四句「影ばかりこそ」は、副助詞「ばかり」と係助詞「こそ」で、影だけをと強く取り立てる。
結句「曇りなりけれ」は、断定の「なり」と詠嘆の「けり」の已然形で「こそ」を受けて結ぶ係り結びで、影こそが曇りであったと結ぶ。
かりいほ:田畑の番をするための仮小屋
- 作者
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崇徳院
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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世の中を思ひな入りそ三笠山 さし出づる月の澄まむ限りは
- 次の歌
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澄みのぼる月の光に誘はれて 雲の上まで行く心かな