深く入りて住まばやと思ふ山の端を
いかなる月の出づるなるらむ
- 歌の意味
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深く分け入って住みたいと思っている山の端から、いったいどのような月が出てくるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 309
俗世を離れて山奥深く住みたいと願う心から、その山の端に出る月はどのような月なのだろうかと思いやる一首である。遁世への憧れを、まだ見ぬ山の月への思いに託している。
本巻の長い月の歌の一連は、第二百八十七首の姨捨山の月に始まり、この山の端の月の歌で終わる。
初句「深く入りて」は、山深く分け入ってという意で、六音の字余りである。
二句「住まばやと思ふ」は、自己の願望の終助詞「ばや」で、住みたいと思うという意を表し、八音の字余りである。
三句「山の端を」は、格助詞「を」で、月の出る場所としての山の端を示す。本巻の第二百九十八首、第三百六首にも山の端の月が詠まれている。
四句「いかなる月の」は、どのような月がという問いを表す。
結句「出づるなるらむ」は、断定の「なり」と現在推量の「らむ」で、出てくるのだろうかと思いやって結ぶ。
やまのは:山の稜線。空と接する山の端
- 出典
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詞花和歌集
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つれづれと荒れたる宿を眺むれば 月ばかりこそ昔なりけれ
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おのが身のおのが心にかなはぬを 思はばものは思ひ知りなむ