おのが身のおのが心にかなはぬを
思はばものは思ひ知りなむ
- 歌の意味
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自分の身が自分の心のままにならないことを思うならば、物事の道理はおのずと思い知ることだろう。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 310
自分の身でさえ自分の思いどおりにならないことを考えれば、人の心が思うようにならないのも当然だと悟れるだろうと詠む一首である。「おのが」を重ねて自分自身に目を向けさせ、人を恨む前に自らをかえりみる理を説いている。
本巻の第二百七十九首の、身のほどを知らずに人を恨む心のはかなさを詠んだ歌と、同じく身と心のありようを見つめている。
初句「おのが身の」は、自分の身のという意で、二句の「おのが心」と同じ語を重ねている。
二句「おのが心に」は、自分の心にという意を表す。
三句「かなはぬを」は、打ち消しの「ず」の連体形と格助詞「を」で、思いどおりにならないことをという意を表す。
四句「思はばものは」は、未然形に「ば」が付いた仮定で、そのことを思うならばという意を表す。
結句「思ひ知りなむ」は、強意の「ぬ」と推量の「む」で、きっと思い知るだろうと結ぶ。
かなふ:思いどおりになる
おもひしる:身にしみて悟る
- 作者
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和泉式部
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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深く入りて住まばやと思ふ山の端を いかなる月の出づるなるらむ
- 次の歌
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菖蒲草かりにも来らむものゆゑに 閨のつまとや人の見るらむ