あだ人はしぐるる夜半の月なれや
すむとてえこそ頼むまじけれ
- 歌の意味
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移り気な人は、時雨の降る夜の月なのだろうか。月が澄むといっても頼みにならないように、通って住むといっても、とても頼みにはできない。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 314
移り気な恋人を、時雨の夜の月にたとえた一首である。時雨の夜の月は澄んで見えてもすぐに雲に隠れるように、通ってきて住むといっても頼みにはできないと、「澄む」と「住む」を掛けて相手の不実を言い当てている。
前歌の第三百十三首の時雨を受け、時雨の夜の月に人の心の頼みがたさを重ねている。
初句「あだ人は」は、移り気で誠意のない人をいい、係助詞「は」で取り立てる。
二句「しぐるる夜半の」は、時雨の降る夜をいい、前歌の「しぐるる」と同じ語を用いている。
三句「月なれや」は、已然形「なれ」に係助詞「や」が付いた形で、月だからだろうかという三句切れである。
四句「すむとてえこそ」は、月が「澄む」意と、男が通って「住む」意とを掛け、副詞「え」が結句の打ち消しと呼応する。
結句「頼むまじけれ」は、打ち消し推量の「まじ」の已然形で「こそ」を受けて結ぶ係り結びで、とても頼みにはできないと結ぶ。
あだびと:移り気で誠意のない人
すむ:月が澄む意と、男が女のもとに通い住む意を掛ける
よは:夜中
- 作者
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待賢門院堀河
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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思はれぬ空の気色を見るからに 我もしぐるる神無月かな
- 次の歌
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誰が里に語らひかねて時鳥 帰る山路のたよりなるらむ