よしさらばつらさは我にならひけり
頼めて来ぬは誰か教へし
- 歌の意味
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よろしい、それならば、つれなさはわたしから習ったということにしよう。では、期待させておいて来ないことは、誰が教えたのか。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 316
相手につれなさを責められたのに応じたものと見られ、それならつれなさは自分から習ったとしてもよいが、来ると期待させておいて来ないことは誰が教えたのかと切り返す一首である。相手の非難を受け流しつつ、相手の不実を鋭く突く、機知に富んだ歌である。
本巻の第三百十二首も「ならひにき」と詠み、物思いに慣れたと述べている。
初句「よしさらば」は、よろしい、それならばという意で、相手の言葉をいったん受け入れる。
二句「つらさは我に」は、係助詞「は」でつれなさを取り立て、わたしからという意を表す。
三句「ならひけり」は、詠嘆の「けり」で、習ったのだということにしようという三句切れである。
四句「頼めて来ぬは」は、あてにさせておいて来ないことをいい、係助詞「は」で取り立てる。
結句「誰か教へし」は、係助詞「か」と過去の「き」の連体形による係り結びで、誰が教えたのかと問い返して結ぶ。
たのむ:あてにさせる。期待させる
ならふ:習い覚える
- 作者
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清少納言
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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誰が里に語らひかねて時鳥 帰る山路のたよりなるらむ
- 次の歌
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かづきけむ袂は雨にいかがせし 濡るるはさても思ひ知れかし